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まちに見立てた居場所

就労継続支援 B 型施設の移転改修プロジェクトです．

今もまだ障害者の方の就労は非常に厳しいです．就労しても会社に馴染めず，疎外感を持って退職される方も多いと聞きます．
だとすれば利用される障害者の方における就労継続支援 B 型施設は，就労する「そと」のはじまりであり，社会と繋がる「まち」そのものであると考えました．
そして「まち」のあり方として，家の周りで地域の人と世間話をするたまり場のような何気ない空間を目指しました．

機能としては普通の店舗と利用者の居場所と法人オフィスの複合施設のような機能を求められました．また改修する建築物の特徴として，戦中からの歴史がある古い元倉庫の持つ大きくゆったりとした気積が，この建築の大きな魅力でした．
そこで施設全体を１つの空間で繋いだまま，人が長時間過ごす場所のみ，集約した小さな室から庇を持ち出して軒下のような空間としています．

大きくゆったりとした倉庫の気積と，人に合わせたスケールを共存させたリノベーションで，「そと」のおおらかさと，軒下による「まち」の距離感をつくりました．