パスワークデザインオフィス/米と糀

愛知県春日井市 2022
用途 オフィス/ワークショップスペース
構造 木造
規模 平屋建て
延床面積 47.97
建築設計 PASSWORK DESIGN
構造設計 -
設備設計 -
施工 (有)カワイ建築
グラフィック 中村直永デザイン事務所/
不動産 -
写真 ma/Uphotography

編集的空間の模索

古民家を事務所とワークショップスペースへ転用する計画です。

改修した建物はJRの最寄駅から約5分の立地で,10年以上使われていなかった古い民家でした.近隣の土地所有者と共有の私道を経由して敷地に入る,再建築が難しい土地であり,活用方法としても難しく,現状回復を求められない建物でした.
一方で私たちの仕事は,業務を行う相応の広さを確保しつつ,社会に対して空間の使い方のケーススタディを提示したい思いがありました.
今回は数多ある使われていない民家を,小さなコストでどこまで大きな変化を生み出し,活用できるか探りました.

空間としては,6畳が3室連なり,ダイニングキッチン,トイレ,浴室が併設する構成に対して,玄関から繋がる居室3室の真ん中の室を庭まで抜ける屋外的な捉え方をすることで,3室のつながりを分断することで,応接と執務を緩やかに分けたオフィスとしての設えに整え直しました.
屋外的な捉え方とした室は,床仕上げを畳からあえて荒いラワン合板に貼り替え,天井をめくり,両隣応接と執務の各室との境目は,襖から既存の木製建具を移動させて使用しています.
昔の模様の入った型ガラスは現在は生産できない貴重なガラスであることを踏まえて,意匠的な仕上げとして捉えました.
また,既存の建物は外部の建具も同じような型ガラスの木製建具であることから,屋外的な捉え方とした室の設えとしても,既存のつくられ方に合致した計画となっています.

我々の建築設計という仕事では,毎回全てオリジナルのプロダクトや造作を行うわけではなく,規格の商品を上手く使うこともあります.それは組み合わせることによって価値を高める「編集」のような行為とも感じます.
今回は既存の建物を「編集」するように空間を再構成し,仕上げの捉え方,切り替え方,移動という表層的な編集によって,使い方の編集を実現したプロジェクトとなりました.

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